生涯エンジニアの備忘録

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<<   作成日時 : 2009/01/07 18:00   >>

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製造業への派遣禁止が法制化されようとしている。
ニューズウィークJAPNの編集長は、WBSで、その動きがはたして雇用環境の改善につながるか疑問を呈していた。私も、短期的には、彼の心配には同感である。企業経営者は、国内での雇用の硬直化を嫌い、海外に調整弁を求めるのは明らかで、国内の雇用は減るだろう。地方によっては、工場閉鎖にまで追い込まれるところもでてくるだろう。いままで好況不況の波を、派遣社員で調整していた企業には、今回の派遣禁止は手痛い打撃となる。
中国の労働者の賃金があがったといっても、いまだに月2万円程度、派遣社員だと20万円、正社員だとその倍はいくだろう。これでは、コスト中人件費比率の高い製品では、同じ製品で競争したくとも、競争できない。自動車は、特に多数の部品を使うので、人手を要する工程が多い。海外で組立て、日本に輸入するほうが、コスト的には有利となろう。自動車輸送船は、通常は完成車を積んで、船出して、帰りは空っぽでかえってくるべきものなのに、実際には、開発国向けの半完成品を積んで、出航し、日本向けの高級品の完成品を積んで帰港するという。現地での組立コストが安いし、輸送費も削減できるからという。
トヨタが、上場以来の初めての赤字と騒いでいるが、この金融危機が落ち着き、ビッグ3が再編されて、新たな米自動車メーカーが生まれても、もうしばらくは、日本メーカーの敵ではないと思う。中国、インドの実需が回復してくれば、世界で、トヨタなどの日本メーカーはさらにシェアをあげて、利益も莫大なものになると予想する。もちろん、インド、中国の自動車メーカーもどんどん売り上げを伸ばすが、利益率の高い車種は、しばらく日本メーカー、ドイツメーカーが抑えると思う。特に、電気自動車は、狙い目で、いくら高性能車をベンチャーが開発しても、高品質に安定的に量産できる生産技術はない。しばらくは、日本メーカーの独壇場になると思う。
かっての、スイスの時計産業が、カシオなどのマイコンを使った電子腕時計に没落させられたのと、同じことが、自動車市場でも起こると思う。ガソリンスタンドは、10年もたてば、あらかた電気充電スタンドに変わり、洗車やメンテナンスなどの、サービスを売る業種に衣替えするだろう。
電気自動車といままでのエンジン自動車では、機械部品数が極端に少なくなるそうである。車体も軽量化され、従来の屈強な車体フレームよりも、衝撃を吸収する柔構造の軽量フレームが使われていくという。自動車は、庶民の足としての機能を重視されるようになり、乗り捨てレンタカーがいっそう浸透していくような気がする。丁度、いまの自転車のように。
そうなると、製造工程も、だいぶ簡素化され、大量の季節工を雇用する必要もなくなるかもしれない。経済と技術が発展していけば、いやおうなしで単純作業の職はすくなくなって、人はどんどんサービス業のほうに移動していく。農業だって、機械化が進めば、いまほどの労力も必要なくなり、就業人口も減っていく。そういう自動化機器の価格は、これから何度も産業革命的な進化があり、劇的に下がっていくと思っている。よく言われることだが、PCに使われるメモリ部品は、最初1Kbit品から出発し、いまや1Gbitになっている。容量は100万倍になったのに、価格はほとんど上昇していない。速度は、MHzからGHzに、1000倍早くなっている。
自動化機器もおなじようなブレークスルーがこれから何度も起こってくるのではないだろうか。
なぜなら、社会がそれを要求しているから。PCは最初、趣味の道具として使われ始めたが、徐々にビジネスに使われ始め、それ以上に、工場の中の制御機器として、マイコンが浸透していった。気がついてみると、マイコンなしでは、工場の機器は作れないし、動作できないようになっていた。同じことが、自動化機器でおこりそうな気がする。
マイコンも、少数の品種からスタートして、使い方が統一されていたので、一気に応用が拡大した。自動化機器も部品の標準化が行われ、ユーザーは組み合わせるだけで、製作できるようになると、需要は爆発する。
どこかの大企業が、統一した自動化機器を使えば、一気に加速する。それは間近いような気がする。
溶接ロボットとか、搬送ロボットのような大型ロボットよりも、主に組立を主業務とする移動可能な小型ロボットがキーと思う。

こういうロボットが生産ラインにどんどん採用されるようになると、組立業務から人間は駆逐され、ロボットのメンテナンスや、ラインの監視業務に移される。工場から人はどんどんいなくなる。それでも、雇用を満たすには、各種サービス業がどんどん増えていくようになる。しかし、富の集中は激しいので、平均収入はどんどん減っていく。いまは、年収400万といわれているが、そのうち300万、200万まで下げられていくかもしれない。それほどまでに単純作業従事者の雇用条件はひどくなる。若者は、資格や技能取得に奔走するようになる。医者や看護士の過酷労働がよく問題になるが、ここに医療補助者が大量に投入されていくだろう。その資格取得はさほど難しくないが、給与は低い。だが、経験をつむと、専門資格に挑戦できる制度もできる。医療だけでなく、弁護士、経理士、その他専門知識を必要とする業界内で、階層化が進むと予想する。重要なのは、決して上への道が閉ざされていないことだ。有名大学をでているからという理由だけで厚遇されるものは自然淘汰で消えていく。あくまで実力であがっていく社会だ。大学にいっても、さほど職業に反映されないで、実力勝負となると、受験地獄も解消するのではと思う。
もちろん、高等教育は重要で、ないがしろにするものではないが、ただ単に卒業証書がほしいだけで、好きでもない学科を受験する学生は不幸だ。本当に学問を究めたい人が進めばいい。

世の中の人が、そういうふうにまじめに努力するようになると、政治もだいぶ変わってくるような気がする。一攫千金のようなバブリーな生活を目指さなくなり、地道にこつこつ努力する若者が増えてくると、社会の風潮もだいぶ変化するのではないだろうか。刹那的な生き方が減ってくる。こういうふうに社会のあり方を変えようとリードするのが、本当の政治家と思う。だが、私には、そういう政治家がどこにいるのかわからない。自民、民主も誰も同じ顔に見える。もう少し日本の政治家を勉強しないといけないかもしれない。

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